さくら
さくら

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気づいたら帰りの電車で涙が流れていました。

以前、「カモンカモン」っていう映画を観た時のことです。

 

 

妹の息子を預かることになった独身男と、
大人の都合で伯父に預けられる9歳の少年の物語。

子どもたちへのインタビューがストーリーの肝でした。

 

心洗われる爽やかな感覚に包まれながら帰路についた私でしたが、
気づいたら電車の中で涙がこぼれてました。

それはまさに、私自身の子育てへの禊のような感覚です。

 

 

2009年10月

私の母が癌になりました。

 

その日から、母が命を落とすまでの1年と8ヶ月
私の中での優先順位は、
子どもよりも母が上位になっていました。

 

当時、娘は10歳、息子は7歳です。

家から片道2時間の実家に毎週のように通い、
母の容体が悪化すれば週に3回往復する日々。

一度「完治」と言われたのも束の間、
半年も経たずに再発。

そこからはもう、回復しませんでした。

 

息子は学校が休みの日は私と一緒に
ロングドライブで、病床の祖母に会いにいく生活。

ドライブといえば聞こえがいいですが、
行き先は病院なので騒ぐわけにはいきません。

大人しく、ほんとに大人のように黙って
本を読んだりDSしたりして過ごしてました。

娘は友達と遊ぶのに忙しく、
私についてくることはほとんどありませんでした。

今振り返ってみると、当時のあの子たちが
何に興味を持っていたのか、どんなテレビを見ていたのか
全く覚えていないんです。

それくらい、私の頭も心も
母のことでいっぱいいっぱいでした。

そんな私に対して子どもたちは大人しく、
聞き分け良く過ごしてくれていたんです。

 

でも、子どもってそんなに聞き分けがいい
わけが、ないんですよ。

母が亡くなってしばらく経ってから
二人とも爆発しました。

 

彼らの名誉のため、詳しくは書けないけれど
しっかり私を困らせるような事件を
それぞれが起こしてくれましたよ。

 

大人の事情に巻き込まれて
自分の感情を出すことにためらいを感じてしまう

だから、傍目には聞き分けのいい子に見えるのだけど
心の中では泣いているんです。


もっと私を見て
もっと僕を見て

それが言えないから
わざと困らせるような行動をとる。

 

映画の中で少年がとる行動の一つ一つが、私にとっては
子どもたちの当時の様子を思い出させるものとなりました。

そして、少年が感情をあらわにしていく様を見て
ああ、これをさせてあげられなかったから、
我が家のあの事件は起きたんだなぁ

と、思ったのです。

 

多分、この映画のメッセージは
違うところにあるのでしょう。

けれど、私にとっては、
自分の子育てを振り返り我が子への愛情を再確認するもの
となったのでした。

 

もし、あなたが今子育てに悩んでいることがあれば、
「カモンカモン」観てみて下さい。

ちなみに、こんな映画です


予告編(1分くらい)観れます